価値観って変わらない?

キャリア面談

私は昔、価値観は変わらないと思っていた。

20代の初めの頃。離婚理由でよくきく「価値観の相違」に対して、「そういう価値観の人ってわかっていて結婚しているはずなのに、どうして相違が起きるんだろう」と考えていた。


なぜだか、一度大事と決めたことを変えちゃいけないような気持ちがあって、ふと、「そーでもないかも?」と感じた時には息が苦しい。

「やるって決めたら、最後までやりなさい!」という声が頭の奥のほうに聞こえてきて「頑張らなきゃ」となっていた。大事でなくなったものを、本当に大事にしたいことを無視して、大事にするのはしんどい。

ーーー 宝くじ当たったら、今まで1番だったお金が5番になった

この話をきいて「え、いいの? 大事やめていいの?? 変えていいの?」と驚いた。その日をきっかけに、調べてみると「人生に大きな影響を与えるような出来事があれば、変わる」という話に行きついた。もはや昔過ぎて言葉の出どころは覚えていないが、この一連の出来事自体は今でも記憶に残っている。

父も60歳を超えたころ「健康が一番」と言い出した。高い服を買うよりも、おいしいごはんが食べたい。お金より時間が欲しい。そんなことを言っていた。

ーーー 価値観が変わると知って楽になった

子供ができて家族との時間が一番大事になった人もいれば、子供が出来てお金を稼ぐことが一番大事になった人もいる。どちらもすばらしい。

さらに「どうしてそう思うようになったの?」と聞くと、価値観という名のその人らしさが見えてくる。しかし、自分の子供時代の話だったり、周囲の声だったり、夫婦間の会話だったり、色々なものがその価値観を覆っている。

そうなると、本来持っている価値観と口にだしている価値観が異なってしまい、自分の中に違和感が生まれる。

しかも口に出しているから、違和感に気づいても、気づいたことを言葉にしにくい。言葉に出すとまるで、自分で自分を否定しているかのように感じることもある。しかし初めは自分を疑っていても、時間が経ち、「やっぱりそうかぁ」と改めて感じるころには、その思いを認めることができるから大丈夫。

変わってもいいんだって、本当はこんな風に思っていたんだって、気づくことがすごいと伝えたい。

ーーー 価値観が変わるとは、本当に”変わった”と限らない

火が水になったような話ではなく、思い込みが外れたとか、抑え込んでいたものが解放されたとか、自分の奥底にあった火種のようなものが体表に近づいただけなのかもしれない。それでも「大事と感じるもの」に変化があったならば、変わったといえる。

もちろん、生死にかかわるような体験をして、火が水に変わることもあるだろう。「細くて眼鏡が似合う方が好き族」から「おいしそうにご飯を食べる方が好き族」に仲間入りした私も、離婚という出来事を経験して価値観が変わった一人だ。

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